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女神の水瓶 〜すぴかの星子シリーズな毎日〜

懐かしのコバルト文庫、星子ひとり旅シリーズの二次創作ブログです。出版社や原作者様とは関係ありません。宙太×星子、またはそれを前提とするお話がメインになります。

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肝だめし温泉 ~The thrilling springs ~5



「キャッ!?」
思わず悲鳴をあげた星子に、少し遠くから、宙太の声とパシャパシャという水音が近づいてくる。
「星子さん!大丈夫かい?」
「ええ……大丈夫よ……って、ちょっと、こっち来ないでよ」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ?」
宙太、構わずに星子の側にやって来ると、星子の肩に手をおいた。
ドサクサに紛れてなにするのよって言いたいところだけど、大きな手の感触は気持ちよくて、安心できた。

「さて、どうするかな……」
宙太、珍しく困ったように辺りを見回した。
きっと、旅館の様子を見てきたいのだろう。

「わたしなら、大丈夫よ」
星子がいうと、宙太、一瞬ためらうように黙ったあと、首を振った。
「……いや、もう少し様子を見ようか」
「でも……」
「いくらなんでも、ここにそんな格好のキミを放り出してくわけにはいかないよ」
「そ、そりゃそうだけど……」
言いかけた星子のあたまにポンと手を置いて、宙太、ニッコリ笑った。
「こんな時くらい、そばにいさせてくれよ。な?ハニィ」
「…………」

正直、ここでひとりになるのは心細いし、そんな風にいわれると甘えたくなってしまうけれど。
「でも……もし修理が必要なら、あのオバアサンひとりでできるとも思えないわよ。やっぱり、見てきてあげた方がいいんじゃないかしら」
「しかしなあ……」
言った途端、不意にガサッと熊笹が揺れた。

「!……」
星子を背中に庇いながら、宙太も緊張した顔で音のするほうを見つめる。
ノラネコかタヌキかなにかかしら?
と思ったけれど、ガサガサという音はだんだん大きく、こちらに近づいてくるようだ。
「うーん、まいったな。こっちは文字通りの丸腰だもんな。……まあ、相手がキレイなお姉さんだったらまた話が違うんだけどな、シシシッ」
「……バカッ!なにいってるのよこんな時に!」
思わず宙太の背中をどつくと同時に、バサーッと大きな音がして熊笹が割れて、星子、思わず宙太にしがみついた。

「誰だ!」
宙太の厳しく誰何する声が飛ぶ。と、、
聞き覚えのある、やけに馴れ馴れしい声が聞こえてきた。

(続きます)
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